動物病院は資格なしでも働くことはできる?
2019/08/01
動物専門の医療機関として欠かせない動物病院。
ペットを飼われている人なら一度は利用したことある人もいるのではないでしょうか。
生命に関わる重要なお仕事ですのでやりがいもあり、数あるペット業界の中でも動物病院で働きたいという人は多いです。
そんな動物病院で働くには主に2つの方法があります。
1つはケガや病気を抱えた動物を診療する獣医師として働くこと。
もう1つは獣医師の補佐や病院の受付業務などを行う動物看護士として働くことです。
どちらの職種も動物病院には欠かせない職業なのでやりがいは両方ともにありますが、獣医師と動物看護士ではそれぞれの職業に就くまでの道のりは大きく違います。
獣医師への道
まず、獣医師は6年生の大学に出て国家試験を合格し免許を取得する必要があるので、資格がなければ働くことは出来ません。
獣医系の大学は全国に16校と非常に少なく、また難易度は医学部に匹敵するほど高いので、目指すには相当な覚悟と努力を持ち合わせていなければなりません。
なので、大人になる前の学生のころから目指すことが基本的で、社会人になってから獣医師に転職という前例はほとんど聞きません。
動物看護士への道
対して、動物看護士は資格がなくても就職することが可能です。
動物看護士にも一応資格はありますが、現在存在するのは全て民間資格なので資格の取得は必須条件ではありません。
人間の看護師さんになるためには国家試験である看護師試験に合格して看護師免許を取得するのが絶対条件ですが、動物看護士の場合は国家資格がないので資格なしでも大丈夫なのです。
国家資格は法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格であり、特定の職業はこの国家資格がなければ職業に就く権利すら与えてもらえません。
動物看護士はこの国家資格を持たない職業に入りますので、誰にでも就職するチャンスはあるのです。
ついに国家資格化
この記事を最初に投稿した時は動物看護士の国家資格化の話はまだ出てきていませんでしたが、2019年6月に正式に動物看護師の国家資格化が決まりました。
これによってこの記事では資格なしでも働けると述べていますが、今後は恐らく就業するには国家資格の取得が前提になるかと思います。
ただ、国家試験の実施は早くても2023年以降になるみたいなので、それまでは今まで通り資格なしでも働くことは可能です。
民間資格で就職を有利に
確かに資格がなくても動物病院で働くことは可能ですが、国家資格の代わりに民間の団体や企業が試験を行って認定する民間資格は動物看護士にも存在します。
仕事に就くのに資格が必要なければ民間資格もいらないのではと思われる方もいらっしゃるでしょうが、正直申し上げますと民間資格を持っているのと持っていないのでは大きく違います。
実際に求人票を見てみると募集している多くの病院では、求める人物像に民間の動物看護士資格の所持が前提となっているところが多いです。
もちろん中には資格の有無を問わない未経験者を採用可とするところもあります。
ただ、資格を持っていることで仕事として働く上で知識が役に立ちますし、動物病院によっては資格手当が付くこともあります。また、知識の面はもちろん動物看護士は信頼の上で成り立つ職業ですので、個人的には民間でも資格を取得することをお勧めします。
資格取得は信頼を得るための術
例えば大切なペットを飼っていたとして動物病院に預けたいと思ったとき、みなさんは何を基準に動物病院を選ぶでしょうか。
・安く済む
・家の近くにある
・早く診療が終わる
上記に挙げた以外にも色々な理由がそれぞれの人にあるでしょうが、恐らく一番大切にすることはその動物病院が信頼できるかどうかだと思います。
診療を行ってもらう動物病院のスタッフが資格所持者がたくさんいる所と全くいない所では、ほとんどの方が前者を選ばれるかと思います。
しっかり信頼出来るところに預けて、適切な処置をしてもらうことが動物病院を選ぶ上で一番の基準となるでしょう。
お客さんにわざわざどのスタッフが資格を持っているかなんて申告する必要はありませんが、人事や採用担当の方ではそうはいきません。
もし自分が採用側の人間の立場であれば、採用基準に資格の有無を重要視しますよね。
資格を取得することで就職率が大幅に上げられるのであれば、是非とも頑張って勉強して資格の取得にチャレンジしてみてください。
たのまな(ヒューマンアカデミー)
日本ケンネルカレッジ